時間を纏う道具

大人になってから、なんだか昔のものに惹かれることが多い。

私が生まれるよりもずっと前からあるものが、
どうして今、こんなにも魅力的に見えるのだろう。

サブスクの時代にレコードを聴くこと。
新しいカフェが増える中で、純喫茶に足を運ぶこと。

どれも、逆らいたいわけじゃない。
ただ、さまざまに行き交う情報に触れ続ける中で、
少し疲れた心が、そっちに向いてしまう。

それはきっと、
時間を越えて残ってきたものへの、静かな尊敬だと思う。

正直、洗車道具にそんな感情を持つなんて、思ってもみなかった。

でも、この道具は違った。

オーストリッチフェザーダスター。

羽の質感は、ただ埃や花粉を取るためのものじゃない。

軽く払うだけで、
ボディに触れるというより、
その上をなぞるように動く。

強くこすらなくても、
汚れは静かに離れていく。

その感覚は、
どこかレコードの音に似ている気がする。

この道具を使っていると、
自分が生きていない時間に、少し触れているような感覚になる。

効率ではなく、選ぶことで成立するもの。

車を愛していた誰かの時間が、
この羽を通して、静かにつながっている気がする。


使用道具

オーストリッチ フェザーダスター L
OSTRICH FEATHER DUSTER L

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整う、という感覚を初めて知った日